東京

急用があって、東京の実家に帰っていた。バスに乗ると、どんどん都会になっていく。千葉駅なんてほんとに東京と変わらない。つうか、東京。
東京は、今どんなに幸せでも何となく胸が切なくなる。守れなかった約束。誰かと喧嘩した夜。空が白くなるまで遊んだ夜。自転車の二人乗り。夜中のドライブ。家に帰るのが厭でコンビニをはしごしたこと。わたしの青春のすべてが東京のいたる所にある。東京の空気と温度が思い出させる。排気ガスと埃でざらざらしてる。海沿いの千葉と比べるととても寒くていつも空は灰色。
青春はある日突然唐突に終わる。今までは青春だったのだなと気づく。そしてわたしの青春のすべては東京にある。
いやほんとはまだ完全に終わりきってないのかもしれない。何となくむずがゆくなるから東京に近づきたくないのだ。青春が終わっていたら「そんな時もあったなあ」と思うだけで行くのなんか何でもないだろう。
終わってないのかもな。果たせなかった約束を思い出して未だに涙が出たりするから。言えなかった言葉や。いわなくて良かったこと。